平成29年(2017年)9月13日
平成29年9月13日、開発協力プレスツアーを実施し、11社14名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。
このプレスツアーは、当地における日本の開発協力をベナン国民に周知するとともに、2020年東京オリンピック・パラリンピックやアフリカ開発会議(TICAD)プロセス等を広報するためのものです。
一行はまず、
平成27年度草の根文化無償資金協力「国立青年体育学院柔道場建設計画」で国際基準に則って建設された柔道場(於:アジャラ市)を訪れ、日本のスポーツ分野における支援を取材しました。当日は、同学院で柔道を学ぶ学生たちによる柔術のデモンストレーションが行われました。日本は2014年から東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定される2020年までに開発途上国を含めた100以上の国々においてスポーツ振興を行っていくという「Sport For Tomorrow (SFT)」イニシアティブを掲げており、本件もその一環で実施された案件です。
続いて、日本の技術協力プロジェクトである
「内水面養殖普及プロジェクト(PROVAC)」の実施サイト(於:ポルトノボ市)を取材しました。日本は同分野の専門家をベナンに派遣し、養殖技術の技術移転を行っています。2010~2014年に実施された第1フェーズでは、養殖家数と養殖魚数をそれぞれ2.5倍と3倍にするなど、その効果は非常に評価されています。2017年2月からは、第2フェーズが開始しており、向こう5年間で更なる養殖家人口の増加と技術移転を通じた西アフリカ諸国への内水面養殖の普及も目指しています。ベナン政府が進める「政府行動計画(PAG)」においても最優先45案件の一つに掲げられています。
その後の意見交換を兼ねた昼食会では、同プロジェクトで養殖されたナマズとティラピア、そして日本が食糧援助で供与した日本米の試食も行われました。
最後に一行は日本の食糧援助見返り資金で支援している
「ボヌ市ミレニアム・コミューン・プログラム」で整備された多機能プラットフォーム(於:ボヌ市)を訪問しました。
ミレニアム・コミューン・プログラム(又はミレニアム・ヴィレッジ・プログラム)とは、国連が持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて提唱し、
開発途上地域の優先セクターに対して革新的な取組を同時に実施しようというコンセプトの計画です。この多機能プラットフォームでは、野菜・果物の栽培、魚養殖や家畜飼育だけでなく、その後の加工・販売までを
同一現場で行うことができます。これによってサプライチェーンが構築され、もってそこで働く女性たちの収入源を確保すると同時に女性の自立が達成されます。
太陽光発電施設も整備され、電力の自給自足の体制も完備されています。